2008年6月21日土曜日

終わりなき蜃気楼の旅 Rajaz/ CAMEL


たった一人で長い間 CAMEL  の看板を背負ってきた、唯一無比のギタリスト Andy Latimer が盟友でもある Collin Bass らと造り上げたこの「Rajaz」は久々にCAMEL らしいサウンドに満ちた好アルバムとなった。
90年代、復活した CAMEL は「Dust And Dreams」そして「Harbour Of Tears」と自らのルーツなどを探った、少し重たいテーマのコンセプト・アルバムを発表してきた。それなりに評価されたが自分的には少し馴染めなかった記憶がある。
この「Rajaz」はコンセプト・アルバムではなく、ストレートに Andy Latimer の個性が出た作品だ。
最初から叙情的な泣き系のギター・ソロから始まり、あの超名曲「Ice」を彷彿させる「ローレンス」という、印象的なギターソロが続く曲で終わる。
イメージ的には「ミラージ」の頃の雰囲気が、プログレ好きにはたまらない。ラスト2曲「サハラ」と「ローレンス」は本当に何度聴いても感動する。100%以上の Latimer のギター・ワークが堪能できる。
自分はもうドライヴの時のBGMにもしてしまっています。

2008年6月16日月曜日

80年代最高のポップス・ロック Invisible Touch / GENESIS


GENESIS の最大のヒット・アルバムです。
たぶん GENESIS の名前が付いてなければ聞くこともなかった音です。良くも悪くも80年代を象徴するようなサウンドで、自分的には (やっちまったなー!)という感じでした。
しかし、そうはいってもGENESISのことが好きでしたから、この後の来日公演や Phil Collins の来日公演もしっかりと観に行ってきたのでした。
やはりヒット曲というものはモンスターです。この一見冴えないおじさん達をアイドル並みの人気者にしてしまいました。Phil Collins に至ってはもう勘弁ならんの世界でした。
このアルバムにはプログレ的な要素もなく、英国的な翳りも全くありません。本当に売れるべきして売れたポップ・ロックの世界があります。(表題曲は化粧品のイメージ・ソングにも使われていました。)ですから万人受けする傑作なのです本当は、悪く言ってはいけません。
なんだかんだ言っても、GENESIS が好きなのだから。
しかしこのヒットが GENESIS  の首を結果的に絞めてしまった。今や 当の Phil も去り、
新メンバーを迎えての新たな船出も失敗に終わり、今現在は他のプログレ・バンドは比較的に再結成などで話題を集めてたりするが、GENESIS に至ってはサッパリだ。最近コンサートを行った事は知っているが特別聴きたいとも思わない。
Phil Collins はもう Brand X はやらないでしょうね?(やるわけないか!)
悪く書いてしまいましたが、でもときどき聴いたりもしています。(なーんだ好きなんだ!)

2008年6月12日木曜日

Saturation Point / Wolf


Curved Air  を脱退した Darrryl Way が結成した Wolf 。
元King Crimson のイアン・マクドナルドをプロデューサーに迎えた1stアルバムがそこそこ話題を集めた。そのWolf のセカンド・アルバムです。
この辺のグループになると、イエスとかフロイドといったプログレの王道から外れ、プログレの裏街道な世界となり決して陽の目を見ることはないのだが、その事を理解しつつもコッソリと楽しむのがプログレ・マニアの道なのでしょう。
内容的にはカンタベリーな雰囲気のジャズ・ロックで、Way のヴァイオリン・ソロにギターのJohn Etheridge が絡みそこそこなインタープレイを展開。良くいうとジャズ・ロック・クラッシックが三位一体となったサウンドは魅力的だが、今ひとつ突き抜けるものがなく、次のアルバムではヴォーカルが加入し、中途半端なハード・ロックを展開。一体何をしたかったのだろうか?
やはりと言おうか、グループは短命に終わり、Way はまた元のさや Curved Air に Etheridge はあのソフト・マーシーンに加入してジャズ・ロックの道をまっしぐらに進むことになります。
しかし、このWolf はB級クラスの楽しみがあります、B級ならではの雰囲気が満載。そんなところを汲み取りながら聞くと、なんだかいとおしくも感じるグループなのです。まとまらなくなってしまったが、最後になんで Wolf ってグループ名なんだろうか?

2008年6月3日火曜日

悲しき酒場の唄 / Sad Cafe

元マンダラ・バンドの4人に2人のヴォーカルを加え、バンド名を小説のタイトルからとってデビューした Sad Cafe はシンセによるシンフォニックなオーケストラ・サウンドをバックにプログレ的アプローチのブリティッシュ・ポップを聴かせ、10cc と YES の中間のサウンドと評された。正真正銘な英国ならではの雰囲気バリバリのグループで、日本でも全然知名度もなくマニアしか知らないという状況が寂しい。

Sad Cafe は知らなくても GENESIS のマイク・ラザフォードのバンド メカニックスのヴォーカルのポール・ヤングが在籍していて、ここでも魅力的な歌声を聞かせています。ただ最近、病死したということで非常に残念な気持ちです。

アルバムの後半はマンダラ・バンド用に書かれた曲で、メドレー形式の起伏のとんだ美しいくドラマチックでプログレ・ファンにはたまらない進行です。

この後バンドはポップ色がだんだんと強まり、最後はなんとも変哲もないA.O.Rなバンドとして姿を変えていってしまうのが残念!