2008年9月4日木曜日

再び Klaus Schulze / Time Wind



Klaus Schulze の75年の作品「Time Wind」です。
高校生だったころタンジェリン・ドリームも聴いていたんで、その流れで買ったと思います。
タンジェリン・ドリームのほうは、同じシンセ・ミュージックでもメロディーもあったし叙情的な部分も
あったので受け入れやすかったのですが、Klaus Schulze はもっとコアな面が強いですね。
ワーグナーに捧げるとありますが、すごく重く暗い世界です。
延々とシンセの反復リズムが続きます、聴き続けるとトリップしそうな感じ。
ひたすら終焉に向かって突き進むような、そして最後の終わり方は強烈でした。
高校生だった私は恐ろしくなり、長い間この「Time Wind」を聴くのを封印してしまいました。
それから30年ようやく私は恐怖の扉をまたあけるのでした。

2008年8月8日金曜日

プログレ名盤。 Spectral Mornings / Steve Hackett


79年作の3作目の Steve Hackett の「スペクタクル・モーニング」は、文句のつけようののない大傑作でした。
自身のサウンド・コンセプトを確立し、迷いもなく自信に満ち溢れているようだ。
1曲目「Every Day」から Steve の創造性は全快、躍動感とロマンティシズムが見事に融合したメロディーやギター・ソロは名演。
タイトル曲「スペクタクル・モーニング」では、哀愁のメロディーを切ないまでも歌い上げる Steve のギターは感動的ですらある。
その他の曲も、昔の遊園地に迷い込んでしまったような錯覚を覚える、少しコミカルで懐かしい哀愁を漂わせてたり、中南米っぽいメロディーだったり不思議な世界で楽しめます。
6曲目「ロスト・イン・コルドバ」では、後のクラッシック・ギターによる一連の作品を予感させる、クラッシック・ギターの演奏。コルドバに行ったこともなければ、観た事もありませんが、風景が頭の中で想像されていきます。
この頃の世相としては、ニュー・ウェイヴやテクノ・ポップなどが持てはやされていましたが、プログレ受難の年代に、こっそりとこんな傑作アルバムが発表されていたなんて、GENESIS が失ったもの、いやプログレ界全体が失っていったものを Steve Hackett は全て拾い上げ、はたまた再現していったのでした。

2008年8月6日水曜日

Please Don't Touch / Steve Hackett


78年 GENESIS を脱退した Steve Hackett のソロ2作目は、意外にアメリカナイズされた、フォーク・ロック的な曲が前半を占めている。
参加メンバーにはアメリカン・プログレの雄 KANSAS のSteve Walsh と Phil Ehart とフォーク・シンガーの Richie Havens それと何故か黒人女性シンガー Randy Crawford、この人はクルセイダースのストーリト・ライフなどのボーカルだったことやなにかのトレンディー・ドラマの主題歌で日本でも人気があった人で Steve Hackett との接点がよく判りません。とにかくアメリカ勢が大勢占めているので、きっと今までのSteve Hackett の雰囲気とは違和感を覚えるのかも知れませんが、それは、あくまでもいい意味での違和感です。
6曲目の「Hoping Love Will Last」での Randy Crawford の熱唱からラスト10曲目の Richie Havens がしっとりと歌う「Icarus Ascending」まで、切れ目なしで、まるで七変化的にカラフルな Steve Hackett のギター・プレイは色々なエフェクターや奏法を駆使しながら、聞くものを飽きさせないプレイを展開、後々のライヴでの定番となるようなフレーズも含まれています。
この作品は何人かのヴォーカリスト達が参加していますので、歌物が Steve のアルバムの中では一番良いというか、必然的に聴けます。そのしっかりとした歌物の楽曲の中に、ほど良い感じで Steve のギター・プレイが入っていてバランスも良いし、ある意味ポップでもあります。
発売当時から今日に至るまで、このアルバムにはお世話になっています。大好きです、しかし、しかし
これで終わらず、この次の作品では、これぞ Steve Hacett と唸らせるほどの大傑作アルバムをだすのだから Steve は凄い!

2008年8月5日火曜日

プログレ魂を持つ男 Voyage of the Acolyte / Steve Hackett



Steve Hackett の75年の初ソロ・アルバムは中世ヨーロッパ的ロマンを感じさせる、非常にGENESIS そのもの、もしや「月影の騎士」の続編的な作品。残念なのは当たり前だがPeter Gabriel のヴォーカルがないことだけです。

当時 GENESIS は問題作「幻惑のブロードウェイ」を発表して、その張本人である Peter はGENESIS を脱退してしまった。たぶん、このアルバムに収められている楽曲は Steve Hackett が GENESIS 用に考えて作ったものだと思います。

ジャケットの絵は  Steve  の奥さんが描いたもので、その淡い世界そのもの、繊細で美しく、少し物悲しい楽曲が並んで、この独特な中世ヨーロッパ的な美意識は、その後の Steve の作品群にも継承されていくことになる。やはり前期GENESISの中世的なロマンや雰囲気は Steve Hackett が持ち込んだものだというのが、この作品を聴くとよく判ります。

音楽的にどうこうというより、自分はとにかく、こういう幻想的で美しい、しかもドラマを感じさせられる曲が大好きです。当然その後の Steve の作品群も私のお気に入りなっていくのでした。なんとなく職人気質を感じさせる Steve Hackett の道程も好感が持てますし、まさにプログレ魂を持つ男でもありギター職人でもある Steve Hackett なのでした。



ブリティッシュ愛 佐久間町withスティーヴ・ハケット

2008年8月1日金曜日

B級の真骨頂! Bedside Manners / Greenslade


コラシアムの解散後、キーボードの Dave Greenslade は盟友 Tony Reeves と共に、元サムライの Dave Lawson、はたまた元 King Crimuson の Andrew McCulch と自分の名前をグループ名にしたこの Greenslade を72年に結成。

ツイン・キーボードにギター・レスという独特な編成でデビューし、ある程度の好評を博した Greenslade のセカンド・アルバムです。完成度もそこそこ高く、たぶん Greenslade の最高作?だと思います。

ジャケットからして、B級ホラー映画みたいで、私のすきなB級感がサウンドとともに全体に漂っています。こういったグループが存在するというのもやっぱし70年代の良さですよね。今じゃきっとレコード会社も相手にしないだろうから。

ツイン・キーボードですが決して、煌びやかさはなく、オルガン・サウンドな地味な音質です。でもそこがブリティッシュ的、ギターがない代わりにベースが骨太な音でメリハリをつけています。King Crinuson の「リザード」でドラムを叩いていた Andrew MacCuloch のドラム・プレイが堪能できるのも、 Greenslade の魅力です。最近気がついたのですが、ある程度の大音量で聞かないと Greenslade の良さは判りにくいので、許す限りにボリュームを上げて鑑賞してください。最後に愛情を持って聴けばすごく良いグループです。

2008年7月28日月曜日

Brilliant Trees / David Sylvian



David Sylvian は、あの JAPAN の中心人物である。

JAPAN 自体がその容貌から、ミーハー的なバンドとして、特に日本では異様と思えるほどアイドルとして、熱狂的に迎えられた。デビュー当時は本国イギリスでは、ほとんど無名であった。しかし、今ではいわゆるビュジアル系バンドの元祖として神格化されている。だが、それは外見的な部分だけのことで、内面の精神的部分は皆無である。

その David Sylvian の初ソロ・アルバムです。注目は 坂本龍一、ホルガー・シューカイ、ジョン・ハッセル などの参加メンバーです。サウンド的にも曲の内容も、かなりストイックで、文学的かつ宗教的な雰囲気が全編に漂う内容です。彼自身は、特別に学歴があるとかそういうタイプではないが,内面は恐ろしく繊細な神経な持ち主で、JAPAN の絶頂期で解散というのも頷けます。

今もなにか世捨て人という生活をしているみたいなのですが、その生き方は有能なミュージシャンを引き寄せながら、その後も素晴らしい作品を発表していきます。あの ロバート・フリップ もしかりで深くか関わっています。

個人的には3曲目の「ノスタルジア」とラストの「Brillant Trees」にすっかり魅了され、なぜか聴くごとに心が浄化される洋な感覚になります。ほんとうにこれは、文学的な作品だと思います。

2008年7月25日金曜日

遅れグラム・ロック Steve Harley & Cockney Rebel / Face To Face



70年代UKロックのムーヴメントの一つとして、グラム・ロックというものがあった。デヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージックやスレイド、Tレックスなどなど数多くのスター達を輩出していった。

しかしそのブームも73年末頃にはピークをすぎており、当時デビューしたグラム系のグループは「遅れてきたグラム」と呼ばれた。そんな遅れグラム・ロックの代表各がこの Cockney Rebel です。

日本でもセカンド・アルバムの邦題「さかしま」はそこそこ話題にはなりました。メンバーにも、後に10cc、アラン・パーソンズに参加した Duncan Mackay(key)や Stuart Elliot(Dr)などが居ます。

中心人物の Steve Harley ですがデカダンス、ナルシズムなどグラム的な要素もしっかり兼ね備え、独特な歌いまわしが強烈に印象に残り、好き嫌いがはっきりと別れるタイプだと思う。聞き込めば病み付きになるというスルメイカ的なメロディーが、単なるB級と切り捨ててしまうのはもったいない存在です。

前作の「さかしま」も派手さはないが独特のエグ味を持つサウンドと独善的メロディーが心に残る英国ポップの裏名盤だったが、本作はそんな彼らの初ライヴ盤でもあり、ラスト・アルバムでもある。ロック・コンサートというより、なにか場末のキャバレーのショーでも観ているようで、独特でかつ異様な盛り上がりをみせていて、聴くほどに楽しめる作品です。

少数派が好きな自分ですが、この Steve Harley & Cockney Rebel も、この日本で一体何人の人が知っているんでしょうか?知る人ぞ知るという感じがまたマニア心に火をつけるんでしょうか。

2008年7月23日水曜日

SUNSET WADING / John G Perry


John G Perry は中期CARAVAN のメンバーだった人。その後は Rupert Hine のバンドなどで活躍する。
プログレを聴き続けていると、本当にプログレの果てまで来てしまったような感覚を覚える隠れ名盤と出会える。プログレ受難の年、76年はこういった音楽を不定するパンク・ムーヴメントが吹き荒れていた時代でした。
アルバムは曲というより、14個の音のピースから成り立っています。ジャケットのイメージそのものの、クールなサウンドや後期のゴングみたいなジャズ・ロックや、アンビエント風なサウンドなど、どれもその先のプログレの世界を十分予感させるものであります。
参加メンバーは、その後、名を馳せる Rupert Hine 、BrandX から Morris Pert 元 King Crimuzon の Michael Giles 、Deep Purple から Roger Glover、 CARAVAN のメンバーでその後ペンギン・カフェの Geoffrey Richadson 当、豪華なのも嬉しいです。
この暑い夏は、夕暮れ時にビールでも飲みながら、この作品を聴くのもプログレ通の密かなる愉しみでもありますね。

2008年7月19日土曜日

Curious Feeling / Tony Banks


ご存知 GENESIS の Tony Banks  の1979年の初ソロ・アルバムです。丁度、GENESIS が「そして3人が残った」を発表した後です。
ですから、当時のポップになる以前のプログレ的な雰囲気も残っています。全体的にヤマハのエレピの音とそれに重なる壮厳なストリングスといった感じでしょうか。派手さは全くありません。ジャケットの淡い絵が雰囲気に合っています。なんとなく秋の夜長に聴きたくなったりします。
Tony Banks はその後、GENESIS のブレイクと共に、 Phill やMike のようにソロとしての成功を夢みて、ポップよりの作品を作っていきますが、イメージ的に地味といおうか生真面目な性格が相まって、個人としての大きな成功はえられませんでした。やはり人間的に裏方タイプの人なんですね。
個人的には Tony Banks を聴けるのはここらまでで、その後は正直つまらない、キーボード・プレイも単純なコード弾きばかりになってしまった。このアルバムもギリギリOKというところなんですが、ジャケットの絵が気にいっているので、手元に置いています。もちろん中期GENESISが好きであれば、まちがいなくこの作品も気にいると思いますよ。

2008年7月10日木曜日

神話の中の亡霊 / Barclay James Harvest



Barclay James Harvest については、実はよく知らない。初期の作品を確か30年前に聞いていたと思うが、印象には残らなかった。たぶん刺激がなかったからだと思う。

最近、なんとなく聞いてみたくなり、本当に訳もなく本作「神話の中の亡霊」を買って聞いてみました。音はリマスターされ鮮明になっていて非常に聴きやすい。このアルバムはB.J.H の8作目で、プログレっぽい雰囲気きも少し残しながらも、ポップな曲想で聴きやすく、彼ら特有の温かみ、かつ牧歌的な、または田園風景が浮かんできそうな、いい感じでした。

たぶん、自分が年をとり感受性が変わってきて、刺激よりこういった安らぎを覚える音楽を欲するようになってきたのかも知れない。こういった音楽をアメリカ人が演奏すると、たぶんウエスト・コーストみたいになるんでしょうが、そうはならないところがブリティッシュの良さで、やはり独特の湿りっけがあるからだろう。

曲はビートルズっぽいメロディーだったり、実際ビートルズの曲がところどころ顔をだす。あとキング・クリムゾンへのアンサー・ソングの「ムーン・ガール」という曲があり、冗談っぽくて笑えます。B.J.Hに関しては自分もようやく受け入れ態勢ができたみたいですので、遅ればせながら少しずつ聞いていこうと思いました。やはりプログレ道は長い!

2008年6月21日土曜日

終わりなき蜃気楼の旅 Rajaz/ CAMEL


たった一人で長い間 CAMEL  の看板を背負ってきた、唯一無比のギタリスト Andy Latimer が盟友でもある Collin Bass らと造り上げたこの「Rajaz」は久々にCAMEL らしいサウンドに満ちた好アルバムとなった。
90年代、復活した CAMEL は「Dust And Dreams」そして「Harbour Of Tears」と自らのルーツなどを探った、少し重たいテーマのコンセプト・アルバムを発表してきた。それなりに評価されたが自分的には少し馴染めなかった記憶がある。
この「Rajaz」はコンセプト・アルバムではなく、ストレートに Andy Latimer の個性が出た作品だ。
最初から叙情的な泣き系のギター・ソロから始まり、あの超名曲「Ice」を彷彿させる「ローレンス」という、印象的なギターソロが続く曲で終わる。
イメージ的には「ミラージ」の頃の雰囲気が、プログレ好きにはたまらない。ラスト2曲「サハラ」と「ローレンス」は本当に何度聴いても感動する。100%以上の Latimer のギター・ワークが堪能できる。
自分はもうドライヴの時のBGMにもしてしまっています。

2008年6月16日月曜日

80年代最高のポップス・ロック Invisible Touch / GENESIS


GENESIS の最大のヒット・アルバムです。
たぶん GENESIS の名前が付いてなければ聞くこともなかった音です。良くも悪くも80年代を象徴するようなサウンドで、自分的には (やっちまったなー!)という感じでした。
しかし、そうはいってもGENESISのことが好きでしたから、この後の来日公演や Phil Collins の来日公演もしっかりと観に行ってきたのでした。
やはりヒット曲というものはモンスターです。この一見冴えないおじさん達をアイドル並みの人気者にしてしまいました。Phil Collins に至ってはもう勘弁ならんの世界でした。
このアルバムにはプログレ的な要素もなく、英国的な翳りも全くありません。本当に売れるべきして売れたポップ・ロックの世界があります。(表題曲は化粧品のイメージ・ソングにも使われていました。)ですから万人受けする傑作なのです本当は、悪く言ってはいけません。
なんだかんだ言っても、GENESIS が好きなのだから。
しかしこのヒットが GENESIS  の首を結果的に絞めてしまった。今や 当の Phil も去り、
新メンバーを迎えての新たな船出も失敗に終わり、今現在は他のプログレ・バンドは比較的に再結成などで話題を集めてたりするが、GENESIS に至ってはサッパリだ。最近コンサートを行った事は知っているが特別聴きたいとも思わない。
Phil Collins はもう Brand X はやらないでしょうね?(やるわけないか!)
悪く書いてしまいましたが、でもときどき聴いたりもしています。(なーんだ好きなんだ!)

2008年6月12日木曜日

Saturation Point / Wolf


Curved Air  を脱退した Darrryl Way が結成した Wolf 。
元King Crimson のイアン・マクドナルドをプロデューサーに迎えた1stアルバムがそこそこ話題を集めた。そのWolf のセカンド・アルバムです。
この辺のグループになると、イエスとかフロイドといったプログレの王道から外れ、プログレの裏街道な世界となり決して陽の目を見ることはないのだが、その事を理解しつつもコッソリと楽しむのがプログレ・マニアの道なのでしょう。
内容的にはカンタベリーな雰囲気のジャズ・ロックで、Way のヴァイオリン・ソロにギターのJohn Etheridge が絡みそこそこなインタープレイを展開。良くいうとジャズ・ロック・クラッシックが三位一体となったサウンドは魅力的だが、今ひとつ突き抜けるものがなく、次のアルバムではヴォーカルが加入し、中途半端なハード・ロックを展開。一体何をしたかったのだろうか?
やはりと言おうか、グループは短命に終わり、Way はまた元のさや Curved Air に Etheridge はあのソフト・マーシーンに加入してジャズ・ロックの道をまっしぐらに進むことになります。
しかし、このWolf はB級クラスの楽しみがあります、B級ならではの雰囲気が満載。そんなところを汲み取りながら聞くと、なんだかいとおしくも感じるグループなのです。まとまらなくなってしまったが、最後になんで Wolf ってグループ名なんだろうか?

2008年6月3日火曜日

悲しき酒場の唄 / Sad Cafe

元マンダラ・バンドの4人に2人のヴォーカルを加え、バンド名を小説のタイトルからとってデビューした Sad Cafe はシンセによるシンフォニックなオーケストラ・サウンドをバックにプログレ的アプローチのブリティッシュ・ポップを聴かせ、10cc と YES の中間のサウンドと評された。正真正銘な英国ならではの雰囲気バリバリのグループで、日本でも全然知名度もなくマニアしか知らないという状況が寂しい。

Sad Cafe は知らなくても GENESIS のマイク・ラザフォードのバンド メカニックスのヴォーカルのポール・ヤングが在籍していて、ここでも魅力的な歌声を聞かせています。ただ最近、病死したということで非常に残念な気持ちです。

アルバムの後半はマンダラ・バンド用に書かれた曲で、メドレー形式の起伏のとんだ美しいくドラマチックでプログレ・ファンにはたまらない進行です。

この後バンドはポップ色がだんだんと強まり、最後はなんとも変哲もないA.O.Rなバンドとして姿を変えていってしまうのが残念!

2008年5月17日土曜日

Mellotron 忘れられない音

Mellotron はイギリスのMellotron社で60年代に開発されたエレクトリック・キーボードである。

鍵盤ひとつひとつに太いアナログの磁気テープがあり、鍵盤を押すと巨大なモーターが回り、テープを巻き込む7秒間のみ音が出る仕組みです。もちろん、そのテープが巻き戻る間は音が出ない。

ひとつのコードを押さえてもシンセサイザーのように永遠に音は続かない故にコードの押さえるポジションを変えざるえない必然性が出てくる。

ここがMellotronを使った音楽の面白いところで、よく聴くと、押さえているコードのポジションがどんどん変わる、もしくはカウンター・メロディーを弾かなくてはいけなくなる。これは音楽を平坦にしなくてよい要因である。

ついついナマなキーボーディストは楽にコードを押し続けるきらいがあるが、このMellotronはそうはいかない。頭を使って自分で弾くことをアレンジする必要がある。

Progressive Rock =Mellotronなんて傾向もあるが、そうでもない。機能上、早く弾くこともできない。そうすると、キーボーディストでないプレイヤーに適した楽器かもしれない。テクニックよりもアイディアが優先されるからだ。

本体の中には、大きなテープを収納するカートリッジがあり、テープさえ代えればどんな音だって再現可能である。今でいうサンプラーの原始的なものと言って良いかもしれない。純正のテープにはストリングス、フルート、コーラスがあり、後になって管楽器やサウンド・エフェクトのテープも発売されました。

Mellotronはスタンダードな形のものとMkⅡという直列二面鍵盤のものがあった。ビートルズの中期の作品でジョン・レノンが弾いていたものがこれである。

80年代に入り、デジタル機器やサンプラーの出現で、Mellotron社はつぶれた。

しかし、誰でも知っているMellotronのストリングスとフルートの音には、音楽の個性をも変えてしまうような魔力がある。アナログ・テープに録音したときの音の劣化による中域だけの音像、ヒスノイズやキーごとに微妙に違うピッチなどいろいろなファクターが原因だが、あの白い箱の中に魔法使いが住んでいることを信じてやまない。

LINK
http://www.mellotron.com/ Welcom to Mellotron

http://www.vemia.co.uk/mellotron/

2008年5月16日金曜日

Soft Machine / Bundles Allan Holdworth が参加!


Soft Machine こそは、カンタベリー・シーンを代表するミュージシャン人脈及び彼らの共有する音楽文化風土の主な幹にあたるグループである。
もとはと言えば、ホッパーやラトラッジがワイアットの家に集まって、オーネットやコルトレーンのレコードを聴いたり、即興セッションを繰り返していたのが始まりだった。
前作「Seven」あたりから、当時流行りのクロス・オーバーの影響か、シンセサイザーを導入、サウンドの電気化が顕著になってきた。
そして、デビュー以来空席であったギタリストのポジションにあの Allan Holdworth が参加してこの「Bundles」は制作された。
バンドにとっては思い切ったサウンドのイメージ・チェンジを図っている。それはジャズ・ロックからジャズ・フュージョンへの変貌であった。 Allan Holdworth のテクニカルなギター・プレイはバンドの表現の幅を思いっきり広げ、より多くのファンの獲得につながった。全編 Allan のギターがメインに展開され Allan のファンは秘聴!
しかし、従来のSoft Machine の路線からは大きく離脱、唯一のオリジナル・メンバーだった Mike Ratledge も本作をもって脱退。その後はSoft Machine の名は残しながら Karl Jenkins のグループと化し完全なジャズ・フュージョンのグループとなって行くのだが
それはそれで、なかなか良くて私は好んで聴いています。

2008年5月15日木曜日

Robert Wyatt / Rock Bottom 不死鳥の復活


Robert Wyatt の初ソロ・アルバムは不慮の事故により下半身不随となりドラマーの道を絶たれた後の作品です。
この水墨画がのような淡い海を描いたジャケットそのものの1曲目「Sea Song」すごくリリシズムを感じさせられる歌だ。Wyattのまるで嗚咽にも似た声が何故か心を締め付けさせられる。この1曲だけでも、このアルバムは聴く価値があると思います。
Robert Wyatt はカンタベリー・シーンにおいて中心的バンドSoft Machine のドラマーからスタート、次第にジャズ志向を強めるバンドから脱退、その後、自身のグループ Matching Mole を結成。良質な作品を発表するが解散、そして不慮の事故、今回のこの作品がヴォーカリスト、Robert Wyatt としてのスタートとなったのである。
彼を信頼するカンタベリー系のミュージシャンたちに支えられ、(Mike Oldfield Fred Frith 等が参加)Pink Floyd の Nick Mason がプロデュース。
独特な雰囲気を持つ、本当に印象に残る傑作アルバムになった作品です。

2008年5月14日水曜日

AZIA 栄光よ再び!


AZIA についてはコアなプログレ・ファンからは、いろいろと良くない評価がされてきた。
今、この記事を書いている最中だが、それこそ再結成された AZIA がこの日本で来日コンサートを行っている最中でもある。
John Wetton/ Steve Howe / Carl Palmer/ Geoflrey Downes と言った、YES .King Crimson.EL&PというProgressive Rock シーンのトップ・バンドに在籍した泣く子も黙るようなメンバーで結成された AZIA は70年後半から急速に衰退していった Progressive Rock の復興を狙った切り札的バンドだったとも言えます。ゆえに商業的ロックに接近して言ったのも戦略的な要素だったのだろう。
メンバーが在籍していたそれぞれのバンド特有の大作は一切無く、全ての曲がポップかつスリムに4、5分にまとめられ、卓越したテクニックとアレンジに裏打ちされた楽曲はそれまでのプログレの概念を打ち破った。全曲シングル・カットできそうな曲だが、よく聴けば確実にそれぞれのメンバーのプレイヤーとしての特性が生かされている。特にこの時期の John Wetton のヴォーカルは存在感がある。
このアルバムは全米でも大ヒットし、9週間連続NO.1を記録、その年のアメリカで最も売れたアルバムとなり、日本を含む世界的な大ヒットとなった。

2008年5月13日火曜日

Chris Squire / Fish Out Of Water もっともYESな男!


Chris Squire の初にして唯一のソロ・アルバム。
Chris Squire こそ YES を支え続けた男、あれだけ激しくメンバー・チェンジをしながらも YES が長い間、活動し続けたのも Chis Squire が尽力を尽くしたからこそ、なにせ Jon Anderson が脱退しても YES を守り続けた、それがこの
Chris Squire なのである。
このソロ作も、本当に YES らしくて、YES ファンならば間違いなく気に入る内容となっている。高音域な Chris のヴォーカルもなかなかだし、いかにもといった バリバリのベース・プレイにも痺れます。
私のお気に入りは4曲目の「Lucky Seven」です。すでにこの時 YES を脱退していた Bill  Bruford のタイトなドラムと Chis Squire のベースそれに絡む ご存知 Mel Collins のサックスが鳥肌ものです。
その他いかにもプログレと言った長尺な組曲も、聞き込めばそれなりに良いです。どちらにしても YES ファンなら手元に置いときたい1枚です。 

2008年5月12日月曜日

Patrick Moraz / I 驚異のラテン・プログレ


Patrick Moraz 初のソロ・アルバム。
YES が「リレイヤー」発表以降、暗礁に乗り上げ格メンバーがソロ・アルバムを企画していくなか、YES 在籍中にリリースしたが、結局この作品が高い評価を得たことで YES の脱退が早まったのは、なんとも皮肉な現実となってしまった。
Patrick Moraz は70年代の他のキーボード・プレイヤーによくある形式美などが全くない。ピアノといい、シンセサイザーといいアプローチがジャズとクラッシックの絶妙な変態的なフレーズ感、壷にハマッテしまうと病みつきになってしまう。ありきたりさは全然感じられない。
Patrik Moraz スイス出身で、クラッシクを勉強、コロンビア大学で音楽を学び、プログレとラテン・ミュージックに傾倒したバックボーンもユニークだ。ブラジルのパーッカッション・グループを起用して、レイ・ゴメス ジェフ・バーリン アルフォンソ・ムーザン アンディー・ニューマーク と言った優れたミュージシャンを起用、ラテン・プログレという新たなジャンルを確立した偉業は多いに評価すべきだ。
この後、本作も含めブラジル3部作を制作、次回もなかなか良い、日本のギタリスト 渡辺香津美のアルバムでもギターとシンセの強烈バトルを繰り広げている。